ダナンのCocobayが12%8年利回り保証停止を発表しコンドテル市場全体の不信感に繋がる

2020年1月7日ダナン,不動産

結論を先に言いますと、2019年11月25日にCocobay(ココベイ)の運営会社は、契約にあった年12%8年の利回り保証を経営難から停止すると発表し、ダナンのコンドテル不動産市場にも大打撃を与えました。

ベトナムでは、コンドテル(コンドミニアムホテル)に対する法整備がまだされておらず購入者は「自己責任」となり、購入者とディベロッパーとの間に何かトラブルがあっても政府が対処することができない案件であるため、リスクの高い不動産投資となっていたのが現状です。

私はCocobayのコンドテルには投資していなかったものの、いくつかの他のコンドテルを購入しているため、今回のCocobayの件で波及して打撃を受けています。

開発当時からCocobayはヤバい雰囲気があった

ダナン郊外のゴルフ場の間に51.5ヘクタールの広大な敷地面積に位置するCocobay。2016年にEmpire Group(エンパイア・グループ)が日本円にして約523億円の投資で開発をスタート。

ホテルやコンドテル、レジデンス、レストランが併設され、2,270戸のアパート、1,370室のコンドテルがあり、合計3,640室が供給される予定でした。「予定でした」というのは、現在一部の開発が止まっているためです。

2016年当時から不動産業界内では、Cocobayに懐疑的な意見が噂されていました。

Cocobayが開発当初からヤバいと噂された理由
  1. 合計3640室という多すぎる供給数
  2. 年12%8年という無謀な利回り保証
  3. 周りがゴルフ場で何もないエリア
  4. ダナン市街地からもホイアン旧市街からも微妙に離れている
  5. ビーチへ行くには、大通りを渡る必要がある
  6. 開発全体像がとにかくダサい(ベトナムの幼稚園のような外観)

ココベイは、ダナン市街地からもホイアンからも結構離れており、ゴルフ場に挟まれ周りにはお店やレストランなどがないエリアに位置しています。

この辺はビーチ沿いに5つ星ホテルが並ぶエリアで、まだ未開発で更地の場所も多い場所でもあります。

合計3640室という多すぎる供給数

リゾートホテルやコンドテルでも一般的に500室前後とされているので、3640室がいかに多いかが数値でも一目瞭然です。

内、2,270戸のアパートではありますが、アパート(レジデンス)購入者も居住には不便な場所なので居住目的ではなく、短期のキャピタルゲイン目的やエアビなどで貸し出す賃貸投資目的がほとんどです。

しかも、「2019年ダナンの3つ星以上のホテルは943軒約4万室が供給され、客室稼働率は全体の50%。 2つ星ホテル以下は795軒が供給され客室稼働率は40%以下。」といった状況なので、パッとしないデザインで観光に不便なエリアに3640室もあれば、供給過剰としかいいようがありません。

ちなみにCocobayの近くに全100室ほどのOcean Suiteというレジデンスもありますが、ここは5つ星ホテルの敷地内にあり、目の前にプールとレストラン、ジム、スパ、キッズルームがあり、ビーチへも直結、コンビニ併設、テニスコートありと付加価値が大きく常に満室のレジデンスになっていますので、Cocobayとは天と地くらい比べ物にならない人気の場所です。

年12%8年という無謀な利回り保証

コンドテルとは、ホテルの一室を所有し、ホテルに部屋を貸して賃料を得る投資スタイルです。コンドテルによって得る賃料の仕組みが異なり、自分の所有する部屋の稼働率によって宿泊費用の4~8割が賃料として配当されたりします。

年12%8年の利回り保証というのは、例えば1,000万円の物件を購入したなら、毎年12%の120万円の配当を8年間継続してお約束します。ということです。つまり120万円×8年=960万円なので、8年でだいたい初期投資金を回収できますよ。ということです。

 

「じゃぁコンドテル運営側はどうやって利益を確保するの?」と疑問に感じますが、一定数の物件を販売した時点で開発費用を捻出できますし、毎月安定した宿泊者がいてオーナーへの配当支払い以上の利益を出していれば(損益分岐点に達していれば)当然ながら赤字にはなりません。そして、オーナーの利回り保証期間を過ぎれば利益を積み上げることができます。

 

しかし、Cocobayは辺鄙なエリアに1,370室のコンドテルがあり、デザインもレストランも運営も微妙ですし、年12%の利回り保証で運営側は赤字になりやすいと、業界関係者は開発当初から誰もが思ったわけです。

 

ちょっと簡単に計算してみると、全体の物件販売額の8~9割を開発費用としているディベロッパーが多いので、物件販売の売上は開発費用に消えます。(そもそも、ココベイは人気がなく、損益分岐点以上の販売を達成できずに、開発の段階で赤字になったのではないかと推測できます)

 

Cocobayの平均物件価格は1軒約1,200万円なので、年12%なら運営側はオーナーに144万円/年を1室につき配当しなければなりません。

 

例えば、1,370室の内6割の物件を販売した場合、822室×144万円=11億8368万円が1年に1回配当として支出されるわけです。つまり、運営費や修繕費などを差し引いて年間11億8368万円以上の粗利がなければ赤字になることを意味します。月に計算すると9,864万円です。

 

ココベイの平均宿泊費は1室1泊7,000円(事件前)、稼働率を50%、粗利率を60%と多めに計算しても479室×7,000円×30日×0.6=約6,035万円

利回り保証の配当支出は月に計算すると9,864万円ですから、この例なら毎月3,829万円、年間4億5,948万円が赤字になってしまいますね。。。

周りがゴルフ場で何もないエリア

この辺はまだ未開発の敷地も多くゴルフ場が並ぶエリアなので、ホテル以外が運営するコンビニやカフェ、レストラン、お店などが周囲にありません。

5つ星リゾートホテルなら、ホテルの敷地内でプールやビーチで遊び、ホテル内のレストランで食事やコーヒーやお茶などを楽しむことができますが、ココベイは3つ星ホテルでレストランも微妙でサービスも良いとは言えませんでした。(実際に行った感想です)

ダナン市街地からもホイアン旧市街からも微妙に離れている

ダナン市街地まで車で30分、ホイアン旧市街までも車で30分とダナン市街地とホイアン旧市街のちょうど真ん中あたりに位置しています。観光やお土産ショッピングなどはどちらかに足を伸ばす必要があるので、タクシーやGrabを使って30分かけて移動しなければならないのは不便でしょう。

ビーチへ行くには、大通りを渡る必要がある

同じエンパイアグループが運営するナマンリトリートのリゾートホテルのビーチを有料で利用するには、ココベイ向かい側まで大通りを渡る必要があります。

この辺は5つ星ホテルが並ぶので無料でビーチへ行くには、車で10分程離れた公共ビーチ入り口まで行く必要があるので、宿泊してもビーチは利用できないに等しいです。

開発全体像がとにかくダサい(ベトナムの幼稚園のような外観)

下記の画像は、Cocobayの開発計画デザインの構図です。

Cocobay-Danang

こうしてみると、一見立派でこのエリアだけで小さな街のようになったりするのかなと思ったりもしますが、細かく見ると建物がきっちり揃って建っているわけではなく、ランダムに建物が建っているのがわかります。

このキレイに揃って建物が建ってないというところは、神経質な私からすると微妙な気持ち悪さがありますね(笑)

 

 

 

 

 

そして、実際に建物が建ってみて、どんな雰囲気になっているのかというと。。。

 

 

 

 

 

 

cocobay

cocobay

あれ?なんか計画時の完成予想図と雰囲気が違うw

まだ開発途中の写真であり、これを綺麗!素敵!というかどうかは人それぞれのセンスかと思いますが、私にとっては「ダサい」以外の言葉が思いつきません(苦笑)

カラフルな建物は、ベトナムではよく幼稚園に使われていたりしますので、ベトナム人達には幼稚園みたいな外観と言われていたりもします。

 

その他、エンパイアグループが中国資本であるために信用されていないということもありました。

開発中の2018年にも建築許可のされていない違法建築をしたということで、6ヶ月の開発停止処分を受けたこともありましたね。。

利回り保証停止後どうなるのか?

気になるのは利回り保証を停止した場合、物件を購入した投資家はどうやって利益を得ればいいのか?ということ。

この件は、エンパイアグループで協議中で正式な回答待ちという状況です。

現状の案としては、「ディベロッパーへ物件を購入価格より安く売却(返却)」または「そのままコンドテルとして機能させ、自分の部屋に宿泊された料金の6割程度を配当する」という2つの案が出ているようです。しかし、どちらも投資家側は大損することになるので物件購入者は怒りをぶつけています。

 

2019年末にコンドテルからレジデンスへ変更するみたいな話もありましたが、一度コンドテルとして登記してしまった以上、レジデンスへの変更許可は政府から降りないようです。せめて居住可能なレジデンスになるなら、少しは希望が見えるのですがほぼ不可能というのが結論です。

物件購入者の今

えーと、こんな感じです。皆様お怒りで「金返せ」言ってます…

cocobay-claim

cocobay-claim

Cocobay以外のコンドテルにも影響

のCocobayの事件があってから、コンドテル市場全体の不信感に繋がってしまい、コンドテルを売却したい人が続出中です。

しかし、人気の高いコンドテル(Ariyanaなど)でも全体の2割程売れ残っているということで、すでに物件購入した人が第三者へ売却するのは難易度が高く、「売りたくても売れない」という状況になっています。完全にババ抜きですね…

コンドテルに対する法整備がしっかり決定されれば良いんですが、法整備の話が出始めた2年前から現状変わらずなので今後も期待はできません。国としてはコンドテルに対し否定的な考えなのでしょう。

 

私もCocobayがヤバいというのは計画当初から感じており購入は避けてはいました。ただ、他のコンドテルにも波及してしまったという結果になったことは、自分の考えが甘かったと反省しています。

なるべく早くコンドテルの売却を打診中ですが、今は完全にヤバい雰囲気です。私はコンドテルに合計で1億円程投資していますので、最悪1億円の損失を覚悟しなければならないでしょう。自己責任ですから仕方ありません。。。(開発中のコンドテルが完成して人気が出て宿泊者も多くなれば、少しは信頼は取り戻せるとは思いますが、、、)

Cocobayのホテルを日本のプリンスホテルグループが購入した?

株式会社プリンスホテル(本社:東京都豊島区南池袋 1-16-15 代表取締役社長:小山 正彦)の子会社である StayWell Holdings Pty Ltd(本社:オーストラリア シドニー、取締役社長:サイモン・ワン、以下ステイウェル)は、初進出となるベトナム・ダナンに「Park Regis Cocobay(パークレジス ココベイ)」と「Leisure Inn Cocobay(レジャーイン ココベイ)」を2019年12月5日(木)に開業いたします。

出典: https://www.princehotels.co.jp/press/191205_01.html/

Cocobayがヤバくなったのでホテルを安く売りに出して、割安なのと税金対策のためにプリンスホテルグループが購入したのか、そもそもココベイ開発当初から進出が決まっていたのか、騙されて変なの買わされたのか、進出に至った経緯は分かりませんが、2019年12月5日に開業したようです。

それでもココベイの敷地にある以上、宿泊者はそれほど多くならないだろうと思いますけど、あの名高いプリンスホテルのグループですから何か戦略があるんでしょうね。

日系ディベロッパーの新たなコンドテルが販売中

Cocobayとは全く関係ない話です。

私も人づてに聞いた話なので間違ってたら申し訳ないのですが、日系ディベロッパーのAria DaNang Hotel & Resortのコンドテル(約870室)が販売中とのことです。場所は、Vinpearl Resort & Spa Da Nangの隣の敷地です。

ディベロッパーは、三栄建築設計と穴吹工務店という話ですが、噂程度で正確な情報じゃないので話半分以下くらいにしておいてください。

ショールームがあるのできちんと行って確認すれば良いことですけど、買う気もないのにショールーム行くのも迷惑ですからね。

しかし、この時期にコンドテル販売は中々厳しいんじゃないでしょうか。。。

 

ダナンの不動産市場は2020年も若干低迷する見込み

2019年4月にベトナムのフック首相が不動産バブル沈静措置を指示したため、各銀行が貸し渋りをしています。今まで銀行から融資を受けて不動産を買ってた人もそれ以上の物件を買うことができず、2018年のダナンの不動産バブルから若干価格も落ち始めています。

買いたくてもお金がなくて買えないというベトナム人が多くなった雰囲気ですし、富裕層でもバブルが落ち着いて価格も下落傾向になってから、冷静になって今まで異常だったのかもと考える人も増えた気もします。

ホーチミンやハノイでは分かりませんが、ダナンでは若干低迷している雰囲気です。事実、私が妻名義で購入していた土地も2018年は購入希望者が多かったものの、売出しから3ヶ月立った今も購入希望者は0人です。売却希望額が高いから売れないというわけではなく、問い合わせ自体が0人なわけですから今の時期に売却は厳しいでしょう。

そういう背景もあるので、コンドテルとなればCocobayの影響もあり、より一層売却が難しくなっているのが現状です。

参考リンク: 2020 to be challenging for Vietnam real estate market, warn experts