投資信託 – 資産運用の種類

2020年12月15日

投資信託とは、多くの投資家から資金を集め、運用会社の専門家(ファンドマネージャー)が運用方針に沿って運用をしている金融商品です。ファンドや投信とも言われています。

投資信託の投資先は、各投資信託の運用方針により異なり、市場や銘柄の分析、選定、組み入れ比率や売買のタイミングをプロであるファンドマネージャーが検討しています。投資信託の運用方針だけ見極めれば、自分で銘柄の分析や選定などをしなくても良いのがメリットです。

中でも、日経平均株価やTOPIX、米国のダウやNASDAQの指数と連動した投資信託は、値動きも分かりやすく分配金も得られる商品もあり、資産運用の中でも投資初心者が投資しやすいのが特徴です。

ただし、投資初心者にハードルが低いとは言っても、投資信託は各証券会社の定めた販売手数料や信託報酬が発生するので、信託報酬含めた手数料のコストも考慮する必要があります。(中には手数料無料の投資信託もありますが、その場合はラップ口座で運用されることが多く、預かり資産残高に応じて手数料を払うことになります)

その他、ETF(上場投資信託)は、株式同様に証券会社を通して証券取引所で買い、売り注文が簡単に可能で、一般的な(株式)投資信託よりもコストが安いのが魅力です。

尚、特定の指標と同じ値動きする投資信託を「インデックス型投資信託」や「パッシブファンド」と言い、インデックスファンド以外の投資信託を「アクティブファンド」と言います。

投資信託の種類は他にもREIT(不動産投資信託)などいくつかあるのですが、ここでは大きく分けた3つを解説します。

概要表

項目内容
リターン
  • 分配金
  • 売却益
リスク
  • 価格変動リスク
  • 金利リスク
  • 為替変動リスク
種類
  • 株式投資信託
  • 公社債投資信託
  • 上場投資信託(ETF)
  • etc...
留意点
  • ファンドの種類により分配金がないファンドもある。
  • 投資信託自体も基準価額が変動する。
  • 多くのファンドは1万口当たりの金額で表される。

株式投資信託

投資対象に株式を含む投資信託です。投資対象すべてが株式の投資信託というわけではなく、株式、債券、不動産、コモディティなど、投資対象資産(ポートフォリオ)に株式が一部でも組み込まれていれば株式投資信託となります。

ちなみに法令上は、「公社債投資信託以外の投資信託」と定義されています。一般的に「投資信託」のイメージといえば、株式投資信託が該当するかと思います。

投資対象地域は、日本国内だけに投資する株式投資信託もあれば、海外だけに投資する、国内と海外を含めた株式投資信託がそれぞれあります。

前述したように、特定の指標と同じ値動きするインデックス型かそれ以外に分けられ、その他にも購入可能時期で単位型(スポット型:期限付き)/追加型(オープン型:いつでも可)、分配金あり/なしに細かく分類されます。

投資初心者が、数ある投資信託の中から資産運用として有効な商品をピックアップするのは正直難しいと思います。私も「数千ある商品から良いものを探せ」って言われたら無理です(笑)

だからといって専門である証券会社に相談したら最後、手数料欲しさに年々投資信託を買い替えさせる営業が多くなり、長期的に損してしまうことになりかねません。。(証券会社と顧客は、基本的に利益相反です。証券会社からしてみれば顧客の資産が増えようが減ろうが関係なく、手数料(証券会社の利益)だけ取れれば良い仕組みです。)

公社債投資信託

株式を一切含まず、国債や金融債などの公社債を中心に運用する投資信託です。

公社債投資信託は、細かく分けると「MMF、MRF、中期国債ファンド、短期公社債投信、長期公社債投信」などに分けられます。

公社債投資信託の最大のメリットと言えばローリスク・ローリターンでしたが、近年は日本のマイナス金利政策により国債利回りが低下し、リターンが難しくなったことで新規購入停止の投信が多くあります。

そこで外貨建てMMFと言われる、外貨ベースで高格付け債券や海外短期証券を中心に投資して、ローリスクローリターンを確保する投資信託も一時注目されましたが、平均利回りは年間0.05%~2.5%程度なので、資産運用の投資対象としては正直不人気なのが現状ですね。。。

上場投資信託(ETF)

上場投資信託は、その名の通り上場している投資信託で、ETF(Exchange Traded Funds)とも言われます。

ETFは証券取引所に上場していますから、株式取引と同じように毎営業日9時から11時半、12時半から15時まで(日本時間)いつでも購入売却の取引ができます。

一方、ETFではない投資信託は上場していませんので、価格は毎営業日1回算出される基準価額で取引され、証券会社などを仲介して購入する仕組みです。

投資信託の売却/解約手数料などがかからない分、ETFは全体的なコストが安いのがメリットです。(各証券会社規定の売買手数料と信託報酬が発生しますが、一般的な投資信託と比べて保有時のコストはそれでも安いです)

更に、ETFは、最小数百円~数万円/1口で買えますから、資産運用の中で最も投資初心者が投資しやすい種類と言えます。書店に並ぶ資産運用に関する書籍を見ても、最近ではETF投資の書籍が断然多く投資初心者に人気があることを実感しますね。

ただし、いくら初心者が投資しやすいETFだからといって、テキトーに買っておけば必ず稼げるというわけではないですし、分配金利回りが一番高いETFを選べば良いというわけでもないです。利回りが高ければ当然リスクも高くなるわけで、過去数年間の価格変動リスクを分析して見極めるのは若干ハードルが高いと言えます。(主に標準偏差による分析が参考になります)

投資信託のメリット

  • 少額から投資を始めることができる
  • 分散投資がしやすい(株式・債券・外国株・不動産などの各投資信託・ETFに分けることが容易)
  • 投資信託の種類が豊富で広い選択技がある
  • 細かい銘柄の分析はせずに、ファンドマネージャーに任せられる
  • 決算ごとに監査法人などの監査があるため、運用の透明性が高い
  • ETFであればコストが安く、いつでも売買できる

投資信託のデメリット

  • ETF以外はコストが高い(販売手数料・管理手数料・解約手数料などがかかる)
  • 元本保証ではない
  • 価格変動リスクがある
  • 海外投資信託の場合は、為替変動リスクもある
  • ETF以外はタイムリーに売買できない
  • 投資信託の種類が多く選定が難しい

投資信託の始め方

主に証券会社や銀行で販売されており、窓口の他、インターネットからも購入できます。ETFの場合は、証券会社で口座開設して株式と同じようにインターネット上で取引します。

ただし、窓口で銀行マンや証券セールスからのアドバイスを元に購入することはオススメしません。彼らは、手数料ビジネスのため、顧客の利益のことは一切考えておらず、どれだけ投資信託を売ったかが実績になるためです。

尚、投資信託も海外在住者が日本の証券会社を通して購入するうことはできません。居住している国の証券会社でETF等取り扱いがあるか確認してみましょう。ちなみに、私の居住するベトナム現地の証券会社では、海外の投資信託を購入できません。

海外在住者で投資信託を買いたい場合は、「海外居住者でも口座開設可能な証券会社で取引する(シンガポールのPhillip証券)」「海外FX業者でETF CFDで取引する(iFOREX)」の2つの方法があります。