SNSで絡んでいる相手は犯罪者かもしれないよという話

2022年10月13日注意喚起

Twitter、Instagram等のSNSには、投資詐欺等をする詐欺師、個人情報取得目的や金銭目的の悪質なステマ等に溢れています。

「そんなこと知ってるし気をつけているよ!」という方でも、「リアルで会ったことあるから」「フォロワーもリプライも多いから」「良い人そうだから」「仲良い知人から紹介されたから」という先入観で騙されてしまう人も一部います。

「Twitterで仲良くしているその相手は、実は詐欺師や犯罪者かもしれないよ。」ということを注意喚起したく記事にしました。

恥ずかしながら私自身、15年以上前に国際的な詐欺師の元で秘書と運転手をしていた時期があり、ステマ案件の仕事もしていた経験があるので、詐欺師やステマの雰囲気が何となく勘で分かります。(*私自身が詐欺をしていたわけではありません。現在は、過去全ての悪人と関係を絶ち、普通のおじさんです。)

勘については誰でもあると思います。例えば、長年の仕事の経験から、雰囲気で不具合の箇所を特定したり、直感でトラブルになる前を察知したりと、経験や知識を元に何かを感じる感覚です。

残念ながら、私の居住するベトナムでも、居住者・旅行者共にTwitter等のSNSにおいて、詐欺師や悪質ステマのアカウントが数名いると思われます。(まぁ、そういう私自身も他人から見たら怪しい人の一人だと思われているかもしれませんが)

尚、「詐欺師」について補足しますと、「直接的な金品」だけが目的とは限りません。詐欺師になるような人は、虚言癖や演技性パーソナリティ障害などの病的なことが多いので、「個人情報取得、攻撃、承認欲求、人脈、情報操作、労働搾取、人権侵害」などを経由して、最終的に財物を詐取としていることもあります。

投資詐欺

一般的に「投資詐欺」とは、元本保証・無リスク・高利回りをあおり、未公開株・仮想通貨・外国通貨・ファンド等への投資を勧誘するポンジ・スキームが最も多いです。

SNSやマッチングアプリなどインターネットを使った勧誘もあれば、知人等や定年退職者相手のネット外の勧誘もあります。「詐欺」ですから、勧誘されお金を出してしてしまう人は、詐欺とは気づいていません。

「詐欺」と一言にいってもその種類は多く、「投資詐欺」一つとっても、インターネットとインターネット以外でも手口が異なります。

私の知る限りの詐欺の種類すべてを解説するにはブログでは全く足りないので、SNSに絞って最近多い投資詐欺について簡易的に解説します。

「最近多い」というのは、それぞれ時代によって詐欺の種類も手口も変化するからです。また、詐欺かどうかの境界線が曖昧なものもあります。とりあえずは、そういうグレーなのも含めています。

SNSにおける投資詐欺とは?

「SNSにおける投資詐欺」とは、TwitterなどのSNSからLINEなどのクローズドな環境へ誘導し、「投資スクール、副業スクール、情報商材の販売、コピートレード配布、セミナー誘導」等の金銭目的へ引き込む詐欺です。

複数のステップを踏み、最終的にお金を騙し取られてしまいます。

尚、SNSから悪質な広告誘導、悪質な懸賞サイト誘導などもあります。広告や懸賞サイトへの誘導は詐欺ではないですが、悪質なものは個人情報を抜き取られ流出されてしまいます。

これらのSNSにおける投資詐欺の中で少し前にニュースになったのは、「副業支援」と称してSNSで違法に勧誘し、FX投資の名目で約19億円の資金を集めていたとして25人が逮捕されたものです。

「副業支援」や「投資スクール」、「投資コミュニティ」や「投資クラスタのオフ会」と聞くと、怪しさが薄れてしまうものです。このような入口から詐欺の罠にハマってしまう人もいます。

報酬が発生する、投資サポート、売買アドバイス、金融商品の助言などは、金融庁に無登録であれば金商法違反で、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれを併科されます。(金融商品取引法第197条の2)

偽トレーダー アカウント

偽トレーダーの典型的な手口
引用:ハーバービジネスオンライン

2019年に話題になったのが、上記画像の手口のように「偽トレーダー」による儲けネタをエサした詐欺です。

偽トレーダーとは、投資で儲かっているように見せている嘘のトレーダーです。

偽トレーダーのSNSアカウントは、主に、FX(外国為替証拠金取引)で取引を行い、儲かった証拠として多額の利益のスクリーンショット(画像)をTwitterやInstagram等へアップするのが特徴です。(儲かった写真をアップしている人すべてが偽トレーダーに該当というわけではなく、偽トレーダーはそういう傾向があるという意味です。)

儲かったとされる証拠画像や写真は改ざんされており、偽物です。もしくは、既に違法収益により得た金銭で写真や画像をアップしています。

最初は、トレードで儲けた写真や派手な生活の写真をSNSへアップして、興味を示すフォロワーを集めます。

相互フォロー等含めてフォロワーがある程度集まると、LINEや無料オンラインサロンなどのクローズドな環境へフォロワーを誘導して、「FX投資の勧誘、情報商材の販売、コピートレード配布、高額セミナー誘導、広告誘導、懸賞サイト」等の金銭目的へ引き込みます。

露骨に「トレード手法はこちらから→URL」と誘導されることもあれば、いいね・リツイート・リプライの反応からプロフィールを閲覧させ、自発的に誘導されてしまうものもあります。金銭目的だと気づかずに自発的に広告等へ誘導されてしまうものも、ステルスマーケティング(ステマ)です。

最初は、「儲かっているなんて嘘でしょー」と疑っていても、フォロワー数・いいね数・リプライ数の多さと日々の投稿により、「もしかして本物かも?」と少しずつ信じてしまう人が一定数います。

(リプライやいいねは、他のステマ アカウントや偽アカウントから偽装されていることがあります。)

また、本当にお金に困っている人は、藁にもすがる思いで怪しさ承知で自分から誘導される人もいます。これは私自身、過去に借金だらけで貯金0だった時期があるので、その人達の気持ちは分かります。

この辺の手口も多種多様ですが、銀行口座情報等の個人情報を入力しないと先に進めないような仕組みになっていることもあります。この場合は、銀行口座情報が流出し犯罪に利用されます。

「そんなのに騙される人いるの?」と思うかもしれませんが、実際過去に、FXで儲かっていることをアピールしていた人が「私と同じ取引で利益をあげたい人いますか?」というTwitterアンケートを行い、コピートレードを勧誘した詐欺があり、参加した人は全員ロスカットで大損という結果になっています。

この詐欺の場合は、参加した人の取引した量に応じて詐欺師が報酬を得られるFX業者との契約になっていました。その他、FX業者経営(証券会社経営)へ関わる詐欺師であれば、顧客の損失がそのまま業者の利益となる仕組み(DD注文方式/相対取引)で儲けることもできます。

お金配り詐欺

お金配り詐欺とは、SNSで多額の現金札束写真をアップしつつお金配りを告知し、応募してきた人に「当せん金を振り込むので銀行口座情報を返信してください」と連絡して、銀行情報含めた個人情報を悪用する詐欺です。

元ZOZO前澤氏が始めたお金配りがきっかけで、「お金配り」自体の怪しさのイメージが減少し、お金配り詐欺が増えました。

お金配り詐欺も手口が毎回少しずつ変化しています。

最近話題になったのは、オレオレ詐欺などの犯罪で被害者にお金を振り込ませた先が、お金配りで当選した人の銀行口座だったという手口です。「マネーミュール」という犯罪の手口で、詐欺師が犯罪で得たお金をマネーロンダリングする際に利用されます。

実際に当選者にはお金が振り込まれますが、後日「間違えて多く振り込んでしまったので返金してもらえないか」「手数料として○万円あげるので手渡しできないか」と持ちかけられ、知らずに犯罪に加担させられてしまうケースです。

懸賞詐欺

懸賞詐欺とは、懸賞サイトへ個人情報を登録することで被害にあう詐欺のことです。

被害は、個人情報の取得目的と金銭目的があります。個人情報は闇市場で売買されており、ほぼ100%流出されます。

流出された個人情報は、メルマガやダイレクトメール、勧誘電話等に利用されてしまいます。悪質なものだと有名企業や公共料金等を装った詐欺に利用されます。

懸賞については、昔から懸賞雑誌があり懸賞ファンも多いことから怪しむ人も少なく、SNSで騙されてしまう人もいます。懸賞サイトの他にポイントサイトというのもありますが、ポイントサイトもグレーな仕組みになっていることが多いです。

懸賞詐欺の主な手口は、下記のように複数あります。

懸賞詐欺の主な手口
  1. お小遣いや副収入を謳う手口
  2. 嘘の当選連絡が来る手口
  3. 突然商品が送られてくる手口
  4. フォロワーや友達から懸賞案内が送られてくる手口
  5. 企業の公式サイトになりすました手口

お小遣いや副収入を謳う手口

「アンケート回答でお小遣いがもらえる」「懸賞を当てて副収入を稼げる」という謳い文句で懸賞に興味をもってもらい、懸賞サイトへ誘導させて商品発送先の住所や氏名の個人情報を取得する手口です。

企業でもこのような謳い文句で懸賞募集をしているところもあるので判断が難しいですが、公式ではないアカウントが懸賞募集しているのは詐欺の可能性が高いです。

嘘の当選を通知する手口

「当選、おめでおうございます!懸賞にご応募いただきありがとうございました。」と、実在しない懸賞の当選通知が届く手口です。

多くは迷惑メールとして届きますが、SNSでもリプライやメッセージで届くケースがあるようです。

  • 商品発送先の住所等の個人情報を要求
  • 商品発送のための手数料を要求
  • ダブルチャンスによる追加費用の要求

嘘の当選通知では、これらの要求がされることが多いです。

ダブルチャンスによる追加費用の要求とは、最初は本当に(安い)商品が送られてくるものの、「豪華賞品が当たるダブルチャンス」と誘い、「豪華賞品になるので追加費用がかかる」と費用を要求する手口です。最初に当選しているので信じてしまう人もいます。

他にも、リンクをクリックしただけで、スマートフォンやパソコン内のデータを抜き取る不正アプリがインストールされることもあるので、注意が必要です。

商品が勝手に送られてくる手口

「懸賞に当選しました」と当選通知とともに勝手に商品が届き、梱包代含めた送料や手数料を要求という手口です。

  • 送料を要求
  • 梱包代を要求
  • 手数料を要求

この場合、詐欺師が直接自宅へ商品を置いているか住所等の個人情報は既に闇市場で流出されている可能性が高いです。

見に覚えがないものでも受け取ってしまった以上、「支払わないと」と思いこんでしまう人が被害にあってしまいます。

フォロワーや友達から懸賞案内が送られてくる手口

SNSのフォロワーや友達から、無料で当たる懸賞の案内が送られてきて、詐欺アプリや懸賞リンクを拡散する手口です。

  • 友達にシェアと友達の連絡先を送るよう要求
  • 特定の電話番号に電話するよう要求
  • クレジットカード情報を要求

「友達にシェアすれば無料でもらる」「友達5名にシェアすれば商品受け取り可能」のような文句で誘い、「友達からのオススメだから安心」と思ってしまい、同じように拡散してしまいます。

ミニゲームアプリに仕組まれていることも多く、詐欺アプリだと分からずに友達にシェアしてしまうこともあります。

特定の電話番号に電話するよう要求というのは、国際電話を利用させることで詐欺師が利益が得られる仕組みです。電話内容は自動音声になっています。また、似たような詐欺で、国際ワン切り詐欺というのもあります。

企業の公式サイトになりすました手口

大手企業になりすまし、懸賞当選を謳い会員IDとパスワードの情報を騙し取る詐欺です。

  • 会員IDとパスワードを要求

大手企業の公式サイトになりすまし、SNSやメールで懸賞を行っているように装って、応募者に偽の公式サイトのリンクを送ります。

偽の公式サイトも本物そっくりに作ってあり、URLも一字違いなど紛らわしいURLにしていることがあります。会員ログイン画面にログイン情報を入力して送信したところで、会員情報が流出するという仕組みです。

懸賞アカウントに紛れている偽アカウントの存在

懸賞アカウントとは、Twitter等のSNSで個人が懸賞に応募するために作った別アカウントです。本垢(本当のアカウント)とは別のアカウントを作ることで、懸賞応募先に本垢バレもせず、ツイートのタイムラインも懸賞応募の内容で汚さないというメリットがあります。

懸賞は主婦に人気があるので、主婦が懸賞アカウントを作っていることが多いです。

これらの懸賞アカウントの中には、詐欺師の仕掛けた偽アカウントが紛れています。詐欺師の偽アカウントでは、詐欺に用いる懸賞サイトのレビューをツイートしたり、偽の懸賞サイトのアカウントのリツイートをしたり、他者へいいねやリプライなどをしています。(自動ツールを使っている業者もいます。)

そこからフォロワーを集め、偽の懸賞サイトへ引き込む手口もあります。懸賞アカウント仲間だと思っていたフォロワーが、実は詐欺師だったということがあるわけです。

その他、資料請求等のサイトへ誘導され、メールアドレスのみの入力を要求されることもあります。

メールアドレスのみを要求されるものは、詐欺の可能性もありますが、多くはオプトインアフィリエイトと言われるメールアドレスの入力で報酬が発生する広告報酬の仕組みです。しかし、詐欺の手口に似た手口でアクセスを稼ぐ悪質なものもあります。

儲かった写真・画像は誰でも作れる

「偽トレーダー」のように儲かった画像や派手な生活の写真は、儲かっていなくとも誰でも作れてしまいます。

SNSにアップされた、多額の札束、多額の口座残高、トレードで儲けた利益キャプチャー、高級外車、高級レストランでの食事、高級な家、プライベートジェットでの旅行などの写真や画像は当てになりません。

多額の札束写真を作る手口

偽の札束

偽の札束写真
偽の札束写真

偽の札束は、楽天やAmazonから約3,000円前後で誰でも購入できます。約15年以上前から偽札束がネットショップで購入できるようになっていますし、私自身、上記の写真のように15年以上前に偽札束を購入したことがあります。

偽の札束とは、銀行の帯をつけた1万円札の色と質感に似せた普通の紙の束です。一番上に本物の1万円札を挟むことで、1束100万円の札束が完成します。

ネットショップでは、5束や10束単位で売られていることが多いです。10束を購入すれば1000万円分の札束、100束購入すれば1億円の札束の完成です。

消費者金融でお金を借りて写真撮影後に1日で返済

偽の札束は、帯に銀行の印がないですし、印があっても見る人が見たら偽札束だと気づかれてしまいます。

そこで、消費者金融で限度額いっぱいまで借りて、札束の写真を撮影したあとに1日で返済する手口もあります。

30日以内返済であれば無利息の消費者金融もありますし、利息があっても1日1万円借りて4円程度の利息なので、限度額いっぱいの800万円借りても1日で返済すれば3,200円の利息のみです。

偽の札束も購入すると3,000円以上するので、消費者金融で借りてもコストはほぼ同じです。

詐欺師グループ全員で消費者金融で借りて合わせた現金を撮影すれば、1億円程度の現金を広げた写真を撮ることも可能です。銀行へバラバラの現金を持っていって札束へ交換することもできます。

もちろん借りたお金とはいえ本物の現金なので、写真を撮ってSNSにアップすれば「本当にお金を持っている人」と信じてしまう人もいるでしょう。

多額の口座残高を作る手口

画像編集アプリで改ざん

画像編集による口座残高改ざんは、昔からある手口です。

ネットバンキングの口座残高、通帳残高、証券会社の残高、FX口座の残高など、何でも画像編集ソフトで改ざんできてしまいます。

最近の画像編集ソフトやアプリは性能も高いので、画像編集だとバレにくい加工が可能です。

デベロッパーツールで改ざん

ウェブブラウザのChromeにあるデベロッパーツール機能(Firefoxは調査機能)を使い、口座残高を好きな数字に変更する手口です。

元々は、Web開発者がウェブサイト制作等で開発しやすいように実装された機能です。

それを悪用して、口座残高を大きい金額へ変更してスクリーンショットを撮影したものをSNSへアップしている人もいます。口座残高以外でも好きな箇所を好きな文字、色、数字と多々変更が可能です。

偽のサイトを制作

本物そっくりに似せた嘘のサイトを制作して、口座残高を証明する手口もあります。

前述したデベロッパーツールは、画面遷移した際に変更箇所が元に戻ってしまうため、例えば、LIVE撮影や動画撮影で、オンラインバンクへログインして口座残高まで一連の流れで視聴者へ見せるために、偽のサイトを制作している詐欺師もいます。

ウェブサイト制作者であれば、3画面程度の本物そっくりのウェブサイトであれば、2日程度で作れてしまいます。

トレードで儲けた利益を改ざんする手口

トレード履歴画面
トレード履歴画面

トレードで儲けた利益キャプチャーをSNSにアップしている偽トレーダーのほとんどは、FX投資でMT4やMT5といった取引ツールの取引履歴をアップしていることが多いです。

悪質な証券会社と手を組んで投資詐欺を行うか、紹介した顧客の取引量に応じて報酬の得られる海外のFX会社を利用して投資詐欺を行うためです。

どのようにして儲けを改ざんするのか?については、主に下記の方法があります。

儲けを改ざんする主な手口
  1. そもそもデモ口座
  2. 両建てで利益が出ている方を決済しているだけ
  3. 分割決済で利益がたくさんあるように見せている
  4. 画像加工をしている
  5. デベロッパーツールで加工している
  6. 多額の資金でわずかな差益のみで決済している
  7. FX業者側が取引履歴を改ざんしている

そもそもデモ口座

デモ口座とは、仮想のお金でゲーム感覚で取引できる練習用口座です。

取引ツールのMT4やMT5アプリにおける取引履歴画面は、練習用のデモ口座と本当のお金を使うリアル口座との区別がつきません。

それを悪用して、大きな利益が出ているように見せる手口もあります。(上記の取引履歴画像もデモ口座です)

両建て取引で利益が出ている方を決済しているだけ

両建取引とは、同じ銘柄の売りと買いを同時に注文することです。

同時に注文した両建取引の場合、どちらか一方のポジションが利益が出ているため、利益が出ている方を決済すれば、履歴画面に利益確定分だけが表示されます。

分割決済で利益がたくさんあるように見せている

利益が出ているポジションを分割決済することで、複数の利益を履歴画面に残し、毎回利益がたくさん出ているように見せれます。

1ロットの取引でも、0.01ロットずつ決済できるためです。

画像加工をしている

定番の画像加工による利益改ざんする手口です。

今の時代は、素人でも簡単に画像加工で利益を改ざんできてしまいます。

デベロッパーツールで加工している

前項の多額の口座残高を作る手口でも解説したように、ChromeのデベロッパーツールやFirefoxの調査機能を利用することで、ウェブ上の儲けを改ざんできます。

デベロッパーツールでアプリの画面は改ざんできないので、証券会社やFX業者の会員ページの取引履歴や残高を改ざんするために利用されます。

多額の資金でわずかな差益のみで決済している

元々100万円以上の大きな資金があり、最大レバレッジが1000倍以上のような海外FX業者を利用しているのであれば、僅かな値動きの数pipsのみで大きな利益を狙えます。

取引履歴画面で決済した値を隠しているようなスクリーンショット画像は、数pipsだけ抜いた取引をしている可能性が高いです。

さらに、両建て取引の場合は、スプレッド分のコストのみで、大きな利益として取引画面に履歴を残せます。

例えば、ドル円の為替レートが150円のときに100万円の資金で最大レバレッジ1000倍で取引する場合、約60ロット(600万通貨)の取引が可能です。0.01円の差益で決済すれば6万円の利益、0.1円の差益で60万円の利益を取引画面に残せます。

片張りでも、数pipsで損切りと利確をするスキャルピング取引ならばリスクは限定されます。

FX業者側が取引履歴を改ざんしている

FX業者の経営に関わる詐欺師であれば、裏のシステムから自分の口座の取引履歴を改ざんすることもできます。

また、顧客のポジション比率も確認できるため、顧客のポジションと反対の売買をして利益を出すことも可能です。(一般的に、FX投資をする7~9割の人が損をしているため)

そもそも、DD(ディーリングデスク)注文方式と言われるFX業者は、顧客とFX業者との相対取引です。顧客の損失がFX業者の利益となる仕組みになっており、DD注文方式のFX会社経営に関わる人であれば、それだけで多額の利益を得ているはずです。(海外拠点のFX会社が日本向けに営業するのは違法です)

EA(自動売買)の成績を改ざんする手口

EAのバックテスト
EAのバックテスト例

投資詐欺で多く使われているのが、EA(自動売買)の導入による手口です。

EA(自動売買)とは、主にMT4やMT5の取引ツールで動作する自動売買システムで、取引口座へ入金してEAをインストールすれば、あとは勝手に自動で24時間売買してくれます。

投資詐欺においては、EAを数十万円で販売していることが多いです。EAを無料で配布している場合は、FX業者を指定した上で取引量に応じて報酬を得ています。

これらのEAの成績を判断するのに、バックテストと言われる過去データからの損益推移グラフが指標に使われますが、バックテストは過去データを編集することで簡単に改ざんできます。

投資詐欺では、EAの偽バックテストで利益が右肩上がりであることを文句に、被害者へ配布しています。

尚、個人のブログ等でも特定のFX口座開設を条件にEA無料配布している人がいますが、金融庁へ通報されれば金商法違反で罰せられます。

派手なプライベート生活の写真を作る手口

海外SNSアカウントから盗用

海外のInstagram等から派手で豪華な生活の写真を盗用して、まるで自分の生活のようにTwitterにアップする手口です。

日本のSNSではバレてしまう可能性がありますが、海外は日本とは比べ物にならないくらい多くのアカウントがあるため、フォロワーがあまり多くないアカウントからの写真盗用であればバレるリスクが減ります。

また、そのままの写真盗用ではなく、文字を入力したり白黒にしたり切り抜きをしたりと写真加工することで、オリジナルの写真のように見せている詐欺師もいます。

高級外車レンタカーを悪用

高級外車レンターカーを数時間借りて写真を撮影する手口です。

レンタカーは、「わナンバー」になっていますが、今の時代はナンバープレートを隠すことが当たり前なので、わナンバーであることがバレることは避けられます。

ポルシェ、ベンツSクラス、ハマーなどは6時間で3万円程度、ロールスロイス、マクラーレンなどは10万円程度のコストです。そのコストでも詐欺師や悪徳業者は騙す目的で利用することがあります。

有料の写真素材サイトから購入

海外の有料写真素材サイトから購入する手口です。

そのまま使うのではなく、やはり写真を加工した上で自分の生活かのようにSNSへアップしています。

他人のSNSから写真を盗用した上で、写真素材サイトへ盗用した写真を捨てアカウントで登録、その写真素材サイトからダウンロードして利用するという写真ロンダリングをする詐欺師や悪徳業者もいます。

違法行為で金持ちになった怪しい人

SNSには、「違法行為で金持ちになった怪しい人」「善人面した犯罪者」もいるので、注意が必要です。

例えば、詐欺師、オンラインカジノ経営、海外FX会社の経営、闇商品の販売、地下銀行経営等で多額のお金を持っている人です。

数年前、ベトナムのダナンに一時移住していた、オンラインカジノ経営に参画していると思われる自称資産100億円の日本人のInstagramアカウントもありました。(現在はドバイ在住のようです。)

オンラインカジノ等の違法収益は銀行口座へ入金できないため、多額の現金を国をまたいで受け取り、不動産投資でマネーロンダリングしている様子でした。

また、闇金から独立した海外FX経営に関わる日本人グループの一部もSNSをやっていると思われます。表向きは海外向けのFX取引サービス提供としていますが、ホームページは日本語で入出金も日本から可能なFX業者のため、実質は日本国内向けに違法営業していると思われます。

そのような違法オンラインカジノや怪しい海外FX業者の場合、意図的に損失させたり、何だかんだ理由をつけて出金拒否されるケースもあるので注意が必要です。

詐欺師や違法行為でお金持ちになった人の特徴

詐欺師含め違法行為でお金持ちになった人でも、リアルでは気前が良く一緒に食事してもご馳走してくれたり、タクシー代を払ってくれたりもして、一見悪い人には見えない善人面した人も多いです。

違法行為でお金もちになった人は、無意識にどこかで心を浄化したいという気持ちと自己肯定感の維持欲求、強い承認欲求もあるので、そういう良い人に見えることがあります。

詐欺師も新たなカモを見つけるために、SNSに多く潜んでいます。

詐欺師の場合は、最初は見返りを求めず色々親切にして、時間をかけて相手を信頼させることに徹するのが一般的な手口です。

実際にお会いして「良い人そう」という理由だけで、相手を信じてしまうと騙されてしまう危険があります。

知人や友人からの紹介というのも気をつけた方が良いです。これは、詐欺師は、周囲の人間から取り入ることがあるためです。

特に、企業を相手にするアオサギと言われる詐欺師は、捕まるリスクを避けるために、法人を含めた第三者を間にかませて詐欺をすることが多々あります。海外法人や海外居住相手との契約は、かなり注意が必要です。実態は外国人名義貸しの海外ペーパーカンパニーで、詐欺が発覚したときは既に閉鎖して行方知れずだったというのはよくある話です。

まずは、「相手の本名」「相手の本名 詐欺」「相手の本名 居住地」等のキーワードでGoogle検索してみることです。(ただし、それでも、忘れられる権利と逆SEOいう手法で、詐欺師は自分の名前を検索から消していることさえあります。実話です。10年ほど前に逆SEO業務に少し携わっていました。)

SNSにおけるFIREアカウントについて

FIREとは、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の意味です。FIREアカウントとは、経済的自立と早期リタイアした人のSNSアカウントです。

私自身も今の流行りにのって、Twitterのプロフィールには「FIRE」と入れています。

これらのFIREアカウントが、有料noteや有料オンラインサロンへ誘導、アフィリエイトリンクを貼っているのであれば、あまり信じない方が良いというのが個人的な考えです。

そもそも本物のFIREアカウントであれば、すでに経済的自立をしているわけですから、他に収入を得なくても生活できることでしょう。そこで、有料noteや有料オンラインサロンへ誘導、アフィリエイトというのは、信憑性が低いですし本当だとしても「せこい(ダサい)」と思ってしまいます。

詐欺ではないのであれば、他にアフィリエイト等で収入を得ることが悪いわけではないですが、私ならこのブログのように完全に広告なし無報酬で他の収入は得ようとは思いません。

まとめ

長々と記事にしましたが、言いたいことは「Twitterで仲良くしているその相手は、実は詐欺師や犯罪者かもしれないよ。」「SNS以外のリアルで会って良い人そうという理由だけで相手を信じないで。」ということです。

ネット上の詐欺を中心に解説しましたが、SNS上には他にも薬物乱用者等もいるので注意したいところです。

特に、海外となると、同じ国に住んでいるというだけで仲間意識を持ってしまい誰でも仲良くなってしまう人もいますし、怪しい話もたくさん転がっています。

それに、コロナによる入国制限が撤廃されてから、怪しい人も海外へ行き来できるようになりました。

知り合って間もないのに、「興味があるので一緒にビジネスしましょう!」なんていう話も海外ではよく聞きます。こういう話も危ないです。

実際、過去に詐欺師の元で秘書と運転手の経験がある私から言えることは、「すぐ信頼せずに、本当に注意してください。」ということだけです。