ベトナム不動産を外国人が購入できる条件と失敗するリスク

2019年3月14日

2019年時点のベトナムでは、外国人購入が許可されたマンションやコンドテルなどの不動産は条件付きで外国人でも購入することができます。(土地は購入できません)

2015年以前は、外国人の不動産購入の条件が厳しかったのですが、現在では緩和されています。とは言っても、外国人・外資系企業が不動産を購入するにはまだまだ規制が多いのが現状です。

ベトナムにおける外国人が不動産購入できる条件

  • ベトナムに入国可能な個人(ビザなしでもOK)
  • ベトナム国内に住所がある外資系企業(現地法人)
  • 利益を目的としない住宅目的であること
  • 国から外国人購入が許可されたプロジェクトであること
  • ディベロッパー直か外国人名義からの購入(ベトナム人から購入不可)
  • ディベロッパーによっては無犯罪証明書の提出
  • 不動産購入の資金の出処を証明する書類の提出(マネロン防止のため)
  • ベトナム国内の銀行口座を保有していること
  • 売却相手は外国人に限定(ベトナム人に売却不可)(使用権の引き継ぎ)
  • 不動産所得はベトナムで支払うこと

利益を目的としない住宅目的であること

特に注意すべきことは、「外国人個人も外資系企業も利益を上げることを目的とした転売や賃貸はできない」ということです。

あくまでも住宅目的となり、個人であれば自分が居住するか利益を目的としない第三者への賃貸、企業であれば社宅として利用しなければなりません。

「じゃぁ、あまり意味ないじゃん!」と思うかもしれませんが、実際そのとおりです。

ただし、利益を上げる目的の賃貸や転売ができないというだけで、住宅目的だけど住んでいない期間を第三者へ有償で賃貸したい、住まなくなったから転売したいというのはOKです。

この話を聞くと「これ、どのへんからアウトなの?」と思うのですが、不動産を購入した外国人が利益を得ていたからという理由で罰せられたなんて話は聞かないので、だいたい大丈夫なんじゃないかと思います。私もこのあたり実際どうなのか曖昧ですし、よくわかっていません(苦笑)

売却相手は外国人限定

あともう一点注意すべきことは、「売却(転売)するときに外国人相手にしか売却できない」ということです。50年の使用権の引き継ぎという形になります。

売る相手が外国人だけを対象となるとかなり限定されてしまいますし、海外で不動産を買うような外国人は、よほど立地が良いとか付加価値が高いとかでない限り、中古物件を買う人は少ないと思います。ましてや使用権の引き継ぎとなると残り期間が少なくなるのもデメリットです。

ディベロッパーや不動産会社も物件を売ること優先なので、外国人が買った先の転売のことまで説明してくれません。

「買ったのはいいけど売れない」なんてことになりかねないので、外国人名義でベトナムの不動産を買う人はリスクを踏まえた上で、よく検討した方が良いです。

そこで、「だったらベトナム人に名義借りればいいじゃん!」と安易な考えになった人は注意です。不動産も含め名義貸しは違法ですし、実際名義貸しで購入した外国人(多くは中国人)がおり、金銭トラブルも多く業界内では問題になっています。金銭トラブルになってもそもそも違法ですから公安に問題を訴えても名義を借りた外国人も罰せられてしまいます。(口座凍結・ビザ発給の拒否など)

家賃収入や売却益は簡単には海外へ送金できない

外国人の不動産購入の条件ではないのですが、注意事項として「家賃収入や売却益は簡単には海外へ送金できない」ということもデメリットの一つです。

ベトナムは社会主義国家であり、土地など不動産もそうですが、ベトナムドン通貨と外貨に厳しい規制があります。ベトナムドンを外貨へ両替し海外へ持ち出すということはそう簡単にはできません。

利回り保証のあるコンドテルなども含め、契約書や権利書、購入証明書、賃貸許可書、家賃収入の証明書、納税証明書、レッドインボイスなどのすべての各種書類を国の機関へ提出し許可を得なければ、海外へ送金できないので大変面倒です。

別途有料で家賃収入や売却益を海外へ送金するための必要書類を用意してくれるディベロッパーや不動産仲介会社もありますが、公証役場で認証された個人の身分証明書や住所確認書、収入証明書、銀行口座の残高証明書などは自分で用意し、現地の銀行への送金手続きも自分でしなければならないのでやはり面倒です。(オンライン海外送金は不可)

ただし、ベトナム国内でこれらの収入を使う分には問題ないので、長期在住者は日本へ送金できなくても大丈夫かと思います。そして、日本在住者でベトナムの不動産を買い家賃収入がある場合は、旅行のときに引き出して使うということも考えられます。

その他の対策としては、家賃収入や売却益の納税分を差し引いて確定した金額であれば、5000USDまでを手持ちで日本へ持ち込むことは可能です。また、家賃収入の入る銀行発行のVISAデビットカードを作り日本で利用することもできるので、この方法が一番現実的かと思います。

ベトナム人と結婚した外国人であれば規制はほぼなし

ベトナム人と結婚した外国人なら、ベトナム人とほぼ同じ条件で不動産を購入・賃貸・転売することができます。

私もベトナム人と結婚しているのでこのカテゴリに属するのですが、ディベロッパーに確認してみたところ、転売はやはり外国人相手だけになってしまうようです。

また、購入転売手続きはより複雑になり、物件の50年の所有権も同じなので、私にとっては特にメリットを感じませんでした。(ディベロッパー側が面倒だから色々言い訳をいわれただけかもしれませんが。。)

ベトナムの不動産所有に関する税金

ベトナムで不動産を購入・賃貸・転売をするのであれば、当然ですが各種税金が発生します。

販売価格ピッタリ用意すれば買えるというわけではないので、税金分や不動産会社を通している場合は仲介手数料なども考慮した上でお金を用意する必要があります。

不動産購入時

VAT(付加価値税)10%
不動産登録税5%

VATは付加価値税というものですが、日本の消費税のようなものと考えてもらうと納得できるかと思います。

上記の税金の他、不動産会社を通している場合は仲介の手数料を取られることもあります。(だいたいは購入金額に含まれています)

あとは、不動産登記をするときに登記手数料がかかることもありますが、こちらも購入金額に含まれているのが一般的です。

不動産賃貸時

VAT(付加価値税)5%(年間家賃収入1億ドン(約50万円)以下であれば免除)
所得税5%(年間家賃収入1億ドン(約50万円)以下であれば免除)
営業登録税年間 100万ドン~500万ドン(約5千円~2万5千円)

賃貸に出したときかかる税金は、VATと所得税合わせて家賃収入の10%です。年間家賃収入が1億ドン(約50万円)以下であれば免除されますが、だいたいの人が1億ドン以上になるのではないかと思います。

税制については、私はすべて税理士に一任してしまっているので詳しくはありません。

ベトナムで各種税金を払うときは、ベトナムの税理士にお願いした方がスムーズですし簡単です。税理士に頼らず自分で対処しようとしたことがある人なら分かると思うんですが、窓口も不親切だし何が正しくて何が間違っているのか曖昧だし、めちゃくちゃ大変でストレスになります。。。

新築物件の内装は自分で手配

コンドテルであれば内装込みの価格で販売されているところが多いですが、新築マンションとなると内装は自分で手配で費用は別途必要というのが基本です。

内装業者を自分で探して…となると信頼できる業者もイチから探さないとだし、打ち合わせや費用の交渉など時間がもったいなくてやってられません。

ダナン以外の都市ではわからないのですが、私の経験では内装業者はディベロッパーが紹介してくれることがほとんどです。

内装デザインは、業者が今まで施工した例などの写真やパースを見せてくれるので、「全く同じでお願い!」となれば余計な打ち合わせなどせずに、内装費用もすぐに見積もりがきます。

ただし、自分の好きな内装にしてもらうためには、やはり2~3回ほどの打ち合わせが必要です。費用については、家具や家電込みで1平米300ドル~500ドルを予算で見ておけば良いと思います。

1平米300ドル以下でできる内装業者もありますが、資材もクオリティーも低くなります。特に木材は、シロアリ対策の薬剤をしっかり染み込ませたものを使わないと、翌年以降シロアリに食い尽くされ大変なことになります。

英語ができない業者もたまにいるので、紹介してくれたディベロッパーに確認した方が良いでしょう。ベトナム語のみの場合は、購入を見送るか通訳を雇うしかありません。

尚、中古物件はマンションでも内装(家具・家電)がついていることがほとんどです。

ディベロッパーや内装業者に期待しないこと

あと、ディベロッパーや内装業者に期待をしない方が良いです。

日本とは考え方も仕事の仕方も全くかけ離れているので、日本の常識で考えていると必ずトラブルになります。

ベトナムで仕事をしたことがある人なら理解してくれると思うのですが、「依頼したことがやってない・○日後に見積もり出すって言ったのに連絡こない・家具の色が違う・施工がテキトーで雨漏りする・家具に傷がついてる・納期は遅れる・約束は守らない」なんてことは日常茶飯事です。私は今まで何度も失敗しました。。。

とりあえずは、物件購入前にディベロッパーと内装業者側の瑕疵担保責任の期間(保証期間)を必ず確認しましょう。内装込みの新築コンドテルなら、利回り保証期間中はディベロッパーが対処してくれますが、新築マンションやヴィラとなると1年が一般的です。

購入前のディベロッパーや内装業者との打ち合わせでは、あとから言った言わない論争が起きないように、打ち合わせで細かいくらい確認してお互いが共有できるメモ(お互いのサイン付き)や会話の録音など徹底した方がリスクを減らせます。少しでも疑問に感じたことはそのままにせず、その場で確認回答をもらった方が良いです。

不動産仲介会社によっては、内装の手配や調整まで有料でやってくれるところもあるようですが、私は利用していないので実際どうなのかは分かりません。

私の場合は、何度かの失敗の中で相性の合う内装業者を見つけたのでいつもその業者にお願いしています。

私がいつも依頼している内装業者は、高級コンド、高級マンション、ヴィラ専門なので少し相場より高いですが、他の内装業者よりも全然丁寧にやってくれます。それでもやはりミスや不具合が多少なりともあるので、打ち合わせのときの念入りな確認は怠らないようにしています。

ベトナムの不動産を購入したあとの維持費

日本でもそうですが、マンションやコンドテルを購入したあとも「管理費・修繕積立金・管理委託料・駐車場利用料・固定資産税・任意で火災保険」の維持費がかかります。

具体的にいつからこれらの維持費が発生するのかは、契約書に記載されているのできちんと確認する必要があります。一般的には物件が引き渡しされた当月または翌月からです。

私の住むベトナムでは、ハノイ・ホーチミン・ダナンで不動産相場も含め維持費も異なってきます。

私はダナンエリアでしか不動産を持ってないので、ダナンのことについてでしかお話できないのですが、下記が各維持費の平均的な相場です。

  • 管理費: 1平米 33,000ドン前後(約170円)
  • 修繕積立金: 管理費に含まれる
  • 管理委託料: 借主を見つけてもらう場合は家賃の1ヶ月分
  • 駐車場利用料: 借主が支払う
  • 固定資産税: ~2%
  • 火災保険: 保険会社により異なる(任意)

管理費は、平均的に1平米33,000ドン(約170円)なので、60平米の1ベッドルームであれば1,980,000ドン(約1万円)が毎月かかる計算です。

ホーチミンやハノイは、場所にもよると思いますが管理費が安いイメージがあるので、リゾート地ダナンはベトナムの中でも不動産価格も管理費も平均的に高いかと思います。

コンドテル以外の一般マンションの場合は、借主も自分で見つける必要があるのですが、管理委託会社へ借主の募集から契約管理までを委託することも可能です。借主は現地ベトナム人だったり外国人だったり様々なので自分で手配から管理までとなると大変なので委託した方が便利です。この場合、借主との契約更新の度に家賃の1ヶ月分が手数料としてかかります。

契約は半年や1年毎が多いので、この場合年間11ヶ月分の家賃収入しか見込めないことになります。

想定していた利回りよりも低くなる可能性

ディベロッパーや不動産仲介会社から聞いていた(表面)利回りよりも、実質利回りはかなり下回る可能性が高いです。

例えばですが、60平米 120,000 USDの物件で家賃500 USD(年間6,000 USD)で賃貸を想定していた場合、表面利回りは5%となりますが、内装費と毎月の管理費と毎年の管理委託料を考慮すると下記の計算になります。

  • 内装費: 60平米 × 300 USD = 18,000 USD
  • 管理費: 60平米 × 1.5 USD × 12ヶ月分 = 1,080 USD
  • 管理委託料: 年間1ヶ月分 = 500 USD
  • ———————————

  • 初期費用: (物件価格)120,000 USD + (内装費)18,000 USD = 138,000 USD
  • 年間収益: (年間家賃)6,000 USD – (管理費)1,080 USD – (管理委託料)500 USD = 4,420 USD
  • ———————————

  • 実質利回り: 4,420 USD ÷ 138,000 USD × 100 = 3.2%

上記のように利回り5%でも想定する実質利回りは3.2%になってしまいます。もちろん常に満室の時を想定した計算ですから、空室があれば更に利回りは低くなります。

インカムゲインを狙う投資であれば、購入前に物件の平米数から内装費用と維持費がどのくらいかかりそうか計算した上で、想定する実質利回りをしっかり把握することも大切です。

ベトナムは年々不動産価格が上昇しているので、「俺はキャピタルゲイン狙いだから問題ない!」という人なら、この話はあまり関係ないかもしれません。

ただし、将来がどうなるかなんてことは予想できないものです。前述したように外国人名義で購入なら外国人相手にしか売れませんし、「絶対に・確実に・100%・大丈夫」というリスクを無視した投資はあり得ないので、ディベロッパーや不動産仲介会社が売り文句でこういう言葉使っているなら、私の経験上そこは信用しない方が良いと思います。

まとめ

ここまでご覧になっていかがでしたでしょうか、、、

大半の人が「ここまで考慮して検討しなければならないの?」ってなったと思いますし、実際に海外での不動産投資(特にベトナム)は凄く大変です。日本在住者が副業でサクッと始める投資なんかでは決してありませんし、真剣に取り組まないとトラブルや損失になることもあります。

外国人名義の購入・賃貸・転売となるとハードルは高いですし、お金だけ渡してあとはよろしくなんてことはできません。

それでも、ベトナムの将来に賭けて不動産の値上がり益を狙いたいというのであれば、ディベロッパーや不動産仲介会社がどこまでフォロー対応してくれるのか視察や打ち合わせできちんと確認した方が良いでしょう。

ちなみに私の場合は、外国人名義を諦めていますので、すべて妻の名義で妻の所有物としています。

「離婚したら全部持ってかれるね!?」なんてことをよく知人から言われたりするのですが、もし離婚したら財産はどのみち折半ですので、全資産のうちベトナムの不動産の資産比率を少なめにしています。なので、たとえ不動産を全部持っていかれても問題ありません。

私みたいなタイプはあまりいないと思うので参考にならないかもしれませんが、ベトナムの不動産購入前の検討材料になれば幸いです。